NSGが手がけるのは、都心部・駅近のコンパクトマンションです。専有20〜35㎡、1Kから2LDK。小さな敷地の上に成立させる。それがTHE ONEシリーズの前提です。
コンパクトマンションという選択
都心部で新しく確保できる土地は、年々小さくなっています。相続で分割された敷地、道路づけの悪い変形地、既存建物が載ったままの土地。大手デベロッパーの企画は一定規模の敷地を前提に組まれるため、こうした土地は検討の対象から外れやすくなります。一方で、駅から数分という立地の価値そのものは失われていません。
コンパクトマンションは、その差を埋めるための形式です。専有20〜35㎡、1Kから2LDK。単身者や二人世帯が勤務先や生活圏に近い場所を選ぶための住まいで、ファミリー向けの供給が難しい狭小地でも、住戸数を確保して事業として成立させられます。
賃貸として運用する前提で企画するため、間取りと設備の判断基準は「売れるか」ではなく「借り手がつき、長く住み続けてもらえるか」に置きます。専有面積は小さくても、設備仕様はファミリー向けマンションと同等の水準を確保する。面積で削るのではなく、面積が小さいことを前提に設計する、という考え方です。
企画の仕様
THE ONEシリーズの企画は、おおむね次の範囲に収めています。案件ごとの敷地条件で数字は動きますが、考え方の軸は共通です。
| 専有面積 | 20㎡ 〜 35㎡ 程度 |
|---|---|
| 間取り | 1K 〜 2LDK |
| 立地 | 都心部・駅近 |
| 設備 | ファミリー向けマンション同等 |
| 用途 | 共同住宅(賃貸) |
| 構造 | RC造(案件により異なります) |

土地の見方
値付けからではなく、出口の収支から逆算して取得可否を決めます。小さい敷地でも、変形地でも、その順序であれば成立する土地があります。
見るのは主に六つです。接道——幅員4m以上の道路に2m以上接しているか、セットバックが必要か、二項道路であれば後退線がどこに来るか。ここで有効な宅地面積が変わります。
用途地域と容積——指定容積率をそのまま使えるとは限りません。前面道路の幅員による容積制限がかかる場合、指定300%でも実際に使えるのは240%ということが起こります。土地の値段はしばしば指定容積で語られますが、収支は使える容積でしか組めません。
斜線と日影——道路斜線、隣地斜線、北側斜線、そして日影規制。これらは建物の上部を削っていきます。同じ容積が使えても、削られ方によって取れる住戸数は変わります。天空率の検討で回復できる場合もあり、そこは設計者との詰めになります。
敷地の形——旗竿地、三角形、間口の狭い短冊状。形が悪い土地は価格が下がりますが、住戸のプランが取れれば事業としては成立します。取れないなら、いくら安くても成立しません。判断は価格ではなく平面で行います。
高低差と地盤——擁壁の有無と状態、道路との高低差、地盤改良の要否。ここは工事費に直結し、見落とすと収支が後から崩れます。
権利関係——共有、借地、相続の未了、越境。解けるものか、解くのに時間がかかるものか、解けないものかを最初に切り分けます。時間がかかるだけなら、その時間を工程に織り込めば進められます。
収支の組み立て
土地の値付けから始めると、判断を誤ります。NSGは順序を逆にして、竣工後にいくらで貸せるか、いくらで売れるかという出口から逆算します。賃料の想定は近隣の募集事例と成約水準から置き、そこに空室と経費を織り込んで、成立する総事業費を出す。総事業費から工事費と諸経費を引いた残りが、その土地に出せる金額です。
この順序であれば、答えは「買えるか買えないか」ではなく「いくらなら買えるか」になります。売り手にとっても、根拠のない指値ではなく、数字の裏づけのある価格が提示されることになります。
工事費は動きます。着工までの期間が長いほど、当初の見積もりから離れていきます。設計段階で仕様を固め、施工者と早い段階で工程とコストを握るのは、この振れ幅を小さくするためです。工期の延びは金利と機会損失の両方を生むため、時間もコストとして扱います。
開発の流れ
| 01 LAND | 土地を見つける、持ち込まれる |
|---|---|
| 02 ANALYSIS | 法規・市場・収支を読む |
| 03 PLANNING | 事業として成立する形に組む |
| 04 DESIGN | 設計者と仕様を決める |
| 05 BUILDING | 施工者と工程・コストを握る |
| 06 MANAGEMENT | 竣工まで全体を管理する |
| 07 VALUE | 賃貸・売却の出口をつくる |
七つに分けているのは、どこから関わってもよいようにするためです。土地が持ち込まれる01から始まることもあれば、設計が終わっている04から引き継ぐこともあります。重要なのは、前の工程で決まったことを後の工程が引き受ける、という連続性を切らさないことです。
01から03で事業の骨格が決まります。ここでの読み違いは、後の工程では取り返せません。04から06は決めたことを実現していく区間で、設計者・施工者との調整が中心になります。07は竣工後の出口——賃貸で回すのか、売却するのか、その判断と実行です。
よくあるご質問
どのくらいの敷地面積があれば成立しますか。
一律の下限は設けていません。70㎡台の敷地でも住戸数が取れて収支が合えば成立しますし、広くても斜線や日影で削られて住戸が取れなければ成立しません。面積ではなく、平面と収支で判断します。
都心以外の土地でも検討してもらえますか。
東京23区を中心に見ていますが、横浜や那覇でも手がけています。判断の基準は行政区ではなく、駅からの距離と賃貸需要です。
既存の建物が載ったままでも相談できますか。
はい。解体を前提とした企画も、既存建物を活かす方向も、両方を検討します。解体費と工期は収支に織り込んで判断します。
賃貸ではなく分譲で考えることはありますか。
出口の選択肢として検討します。ただし企画の段階では賃貸で成立することを前提に組みます。賃貸で回る建物は、売却する場合にも収益不動産として評価されるためです。
